ワンランク上のDIY 墨付けのコツ
どんなにまっすぐ切れる工具や技術があっても、下書きの線がブレブレでは寸法通りきれいに切断することは難しいです。設置場所や切断位置を下書きを「墨線」、墨線を描くことを「墨付け」といいますが、高価で高精度な専用の製品があるほど、墨付けは出来上がりのクオリティを左右する重要なポイントなんです。
とはいっても個人のDIYではそこまで高価なツールは必要ありません。最低限必要なのは
- スコヤまたはサシガネ
これと筆記用具があれば十分です。
万能さではサシガネですが、使いこなすには少し慣れが必要です。棒材や長尺材を直角に切るのだけを目的とするならスコヤの方が簡単に使えると思います。
サシガネ(差し金)
90°にL字になった薄い金属製の定規をサシガネと呼びます。曲尺(カネジャク)と呼ぶことも。中学校の技術家庭科の授業で使ったことがあるかもしれませんね。大変万能なツールで、線引き、計測、直角出し、曲線引きなどいろいろな大工作業に使われます。
長い材料に90°のカットラインを引く時は、サシガネの長い方を板の長い方に沿わせて押さえ、短い方の内側で線を引くと、正確でキレイな直角の線が引けます。
スコヤ
90°の線が引きやすいように土台が付いた定規のことをスコヤと呼びます。形状は様々ですが、土台部分を材料の角に当てると90°や45°の直線が引けるようになっています。土台部分が厚いものを選んだほうがツーバイ材でも使いやすいと思います(ツーバイ材は面取りされていて角が5mmくらい丸いため)。
丸ノコなど電動の切断工具を使う際にも、小物の切断ならガイドとして使う事もできます。
金属製が精度も高くて長く使えますが、アクリル製の安価で便利な定規もあります。初めはアクリル製のもので使い方に慣れていくとよいかもしれません。私も金属製も持ってますが、ツーバイ材のときはこちらのアクリル製の方を使う事が多いです。
墨付けのコツ
濃くはっきりと
墨線は切っていくうちに切りくずに埋もれていき、段々と見えづらくなっていきます。どのみち塗装で見えなくなるか塗装前のペーパーがけで消えますので、濃く書きましょう。
硬いペン先だと木材に埋まってしまうため跡が残りやすくなります。鉛筆の場合は2Bなどの柔らかい芯が、ペンだとサインペンタイプの方がおすすめです。
側面にも墨付けする
面倒ですけど、カットラインは側面にも引いたほうが断然きれいに仕上がります。ガイドを使っていても、切っている間に材料がずれたり角度が変わったりというのは意外とよくあります。側面の墨付けがあれば、修正可能なうちにズレに気づく事ができますね。
墨線を残して切るイメージで
のこぎりの刃にも厚みがあり、さらにアサリという刃先の左右の開きがあるものが一般的です(細工用鋸などはアサリがないものもあります)。
この歯の厚さとアサリの幅で、のこぎりでカットした跡は1mm程度の幅で材が削られた状態になります。つまり墨線の真上を切ると0.5mmくらい切りすぎた状態に。のこぎりで切るラインは、墨線の0.5mm外側を切るとジャストということになります。
切り過ぎは修正できませんが、長すぎるときはカンナやヤスリで削って修正できます。墨線がギリギリ残る位置を狙って、0.5~1mm外側でのこぎりをかけてみてください。
Written by
きたやましんご
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