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【節電】ドライヤーの電気代を抑えるテクニック

普段何気なく使っているドライヤー、どのくらいの電気代がかかっているかご存知でしょうか?

毎日10分だけ使用した場合、年間2,137円(1200Wのドライヤーを想定 R3 東北電力 従量電灯B 300kWh以上の料金 29.28円/kWh で試算) 。

ちなみにドライヤーの使用時間10分の目安は肩口の長さのセミロングを乾かすのにかかる程度だそうです。たかだか2000円とも見れますが、使用する人数が多かったり髪が長い人が多い家庭では、総額で年間1万円近い金額にもなりえます。

節約のポイントは「時短」

電気機器の消費電力の単位としてW(ワット)が一般的に使われています。熱を利用する電気機器の場合はWの数字がほぼそのままパワーの大きさになり、電気代も比例して高くなります。

電気代は機器のW数×時間で算出されています。W数を減らすか、時間を減らすことが節約につながります。

最近の家庭用ドライヤーは1200~1300Wが主流になっています。電球などではW数が小さいものに交換する節約テクニックが主流ですが、ドライヤーの場合はW数が小さいもの=髪を乾かすパワーも減ることになります。仮に半分のW数のものを使っても時間が2倍かかった場合は消費電力は変わらない計算となるため、ドライヤーの省エネ・節約効果はあまりないことになりますね。

パワーを下げることが出来ないなら、早く乾かすことで節約ができそうですね。ドライヤーで髪を効率的に速攻で乾かすコツを紹介していきます。

ものが乾く原理を理解して節約に活かそう

空気には水蒸気を溶かし込む限界の量が決まっています。限界まで余裕がある=湿度が低いほど水は蒸発しやすくなります。水蒸気を溶かし込む限界の量は空気の温度が高いほど多くなり、ものを乾かしやすくなります。5℃の空気と比べると、30℃の空気では5倍程度水蒸気を溶かしやすくなる計算。そして空気の量が多ければ多いほど、溶け込む水蒸気の量も多くなります。

ドライヤーから出てくる温風で髪を暖めて乾かすイメージがありますが、実は髪自体は暖めなくても乾かす事ができ、「水蒸気が溶けやすい空気を、大量に作る」ために加熱・送風しているだけなのです。

乾燥の原理は室内干しのコラム↓でも詳しく解説しています。

理系が考えた室内干しで3倍乾燥する物干しスペース

さてこの原理を利用して、ドライヤーの乾燥パワーを最大限に発揮できる使い方をしてみましょう。

髪の水気をよく取る

最初からドライヤーが関係なさそうなテクニックですが、そもそも髪を濡らしている水分が少なければ蒸発に必要なエネルギーも少なくて済みます

シャンプー後は髪を手で軽く絞ります。水がダラダラとたれない程度で十分です。

なるべく乾いた大きめのタオルを当てて指先で髪の根元を優しくジグザクに拭き、毛先はタオルで包んで手のひらでポンポンと叩く感じで水気を取ります。

目安は触った手が濡れない程度で十分です。

風量が大きいドライヤーを使う

ここ数年で「大風量ドライヤー」が一般的になってきましたね。家電比較サイトでも風量で絞り込み検索ができるようになっていてびっくりしました。

風量の単位は ㎥/分 で、1分間に送り出せる空気の体積で表されます。1.6㎥/分以上のものが大風量と呼ばれているようです。ブームの火付け役になったコイズミの大風量ドライヤーは1.9㎥/分。わが家でも使用していますが、自転車で長い下り坂をおりる時くらいの風量を感じます。

熱を出すヒーター部分のパワーは消費電力に直結しますが、それに比べると風量は強くなっても消費電力はそれほど変わりません。同じ1200Wのドライヤーであれば風量が大きいほうが圧倒的に早く乾かす事ができ、トータル消費電力を抑えることができます。

コイズミ ヘアドライヤー モンスター

わが家では購入したのが5年ほど前なのでビフォー・アフターの時間を正確には計測おらず体感の数値になってしまいますが、7分かかるドライヤー作業が5分になったくらいの節約効果がありました。

風量が大きいほど音も大きくなりますので、小さいお子さんやペットがいる家庭・深夜に使う必要がある場合はご注意ください。(大抵のモデルで弱風モードもあります)

タオルを巻いてドライヤーの温風を当てる

毛細管現象というのをご存知でしょうか?割り箸を割らずに液体を入れたお皿に突き立てると、どんどん水を吸い上げる現象です。割り箸の上部から液体が蒸発すると、下の溜まっている部分から液体をさらに吸い上げ、どんどん蒸発させてくれます。この現象を利用しているのがアロマディフューザーです。

このアロマディフューザーと同じ現象はタオルで髪を拭くときにも起こっていて、髪の毛からタオルへ水分を奪っています。そのタオルの表面側にドライヤーを当てると表側の水分が蒸発、裏側の髪から水分を奪ってさらに蒸発、というサイクルで素早く乾かすことができるのです。熱が直接髪に当たらないため、髪へのダメージがないのもうれしい乾燥方法ですね。

頭に巻いたタオルを片手で軽くもみながら、もんだところへ温風を当てる感じです。

私もメンズとしては髪が長い方で、ドライヤーは時間がかかります。原理が直感的でないため初めは半信半疑でやってみましたが、ドライヤー時間はタオルなしだと5分・タオルありだと3分くらい。3割程度の時短になっています。

ロングヘアだと、タオルで揉みながら乾かすのはいくらか器用さが必要です。100均でも手に入るマイクロファイバー製のヘアキャップや手袋状になったタオルを活用すると幾分やりやすくなり、小学生でも一人でできています。

なるべく離して使う

髪から近いと熱い強い風を感じてすぐ乾きそうな気がしますが……。実は送り込まれる風の量が少なくなるため、逆に乾燥に時間がかかってしまうのです。髪への熱ダメージも心配です。

特に大風量のドライヤーでは、温風が出るノズルから20cm以上離した時に最大の風力になり、周りの空気を巻き込みながら髪に当たるように設計されていて、近いときよりも大量の空気で高速に乾かす事ができるようになっています。

自分では離しているつもりでも、ドライヤーの送風ノズルは思っているよりかなり長いです。思いっきり腕を伸ばして乾かしましょう。

換気しながらドライヤー

これはあまりやっている人が多くない、でも効果大なテクニックです。

お風呂やシャワーの後で使われるドライヤーは脱衣場で使われることが多いかと思います。脱衣場が寒いご家庭も多く、特に冬場は閉め切った状態でドライヤーを使っている方がほとんどではないでしょうか?

閉め切った狭い空間では蒸発できる水蒸気の量に限界があります。冬場は髪が乾きにくいというのはこれも原因になっています。「乾いた空気を大量に当てる」という原則から、換気をしながらのドライヤーがけの方が、乾燥効果が高くなります。可能なら窓を開けて、悪天候時や花粉のシーズンには換気扇だけでもつけてみてください。

ですが……寒い時期の換気は、やはりつらいものです。居間などの暖かくて広い部屋でドライヤーを行ったり、脱衣場に遠赤外線ヒーターなど気温に左右されにくい暖房機器を準備して、なるべく寒くないように換気するのも一つの手です。

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きたやましんご
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